一品でお腹いっぱいになる味!肉なしでもおいしい自信作!「ホットクックとヘルシオで作るレンズ豆のシェパーズパイ」
延期されているジブ リ映画「アーヤと魔女」の「ジブ リ飯本」で見かけて以来、「シェパーズパイ」が気になっていた。
ジブ リ映画の食べるシーンはいつもおいしそうである。
原作本「ハリ ー ポッタ ー と秘密の部屋」にも登場していた、魔法の国「イギリス」の定番料理である。
「ホットクックとヘルシ オで作るレンズ豆のシェパーズパイ」
材料
ミートソース風ソース
◯玉ねぎ 150g(1/2個)粗いみじん切りにする
◯にんじん 50g(1/2本)粗いみじん切りにする
◯おろしニンニク 小さじ1/2
◯ケチャップ 大さじ5
◯水(だし汁) 250ml
◯レンズ豆 100g
◯たまりしょうゆ 大さじ1
クリ ーミ ーマッシュポテト
◯じゃがいも 150g(1個)皮付きのまま、6~8等分する
◯豆乳 50ml
◯ニュー トリショナルイー スト(粉チーズの代わり) 大さじ1/2
◯乾燥オレ ガノ 小さじ1/4
1)ヘルシ オでマッシュポテトを作る
ヘルシ オの角皿に調理網をのせ、じゃがいもをのせる。
角皿をヘルシ オの上段に設置する。
ヘルシ オ設定
まかせて調理 ⇒ ゆでる・蒸す・強 ⇒ スタート
加熱後、ボウルに蒸したじゃがいもを入れ、豆乳、ニュ ー トリショナルイ ー スト、オレ ガノを加え、スプーンの背を使ってつぶす。
2)ホットクックでミートソース風ソースを作る、ヘルシ オを予熱する
ホットクックの内鍋にミートソース風ソースの材料を入れる。
まぜ技ユニットと内鍋を本体にセットする。
ホットクック設定
自動メニュー ⇒ クラムチャウダ ー(20分) ⇒ スタート
ヘルシ オを予熱する。
ヘルシ オ設定
手動 ⇒ ウォーターオーブン・230℃・予熱あり・1段 ⇒ スタート
3)ヘルシ オでシェパーズパイを焼く
2のソースができあがったら、角皿に耐熱容器(取っ手のないフライパン)をおき、耐熱容器にソースを入れ、その上に1のマッシュポテトをおく。
予熱完了後、耐熱容器をのせた角皿をヘルシ オの上段に設置する。
ヘルシ オ設定
ウォーターオーブン・230℃・10分 ⇒ スタート
4)完成
加熱後、表面がキツネ色に焼けていたら、完成。
マッシュポテトの仕上がりに満足いかなかったので、少しじゃがいもについてネットで調べてみた。
マッシュポテトを上手に作るコツは、経験的に言われていることだが、2つ
- じゃがいもが熱いうちにつぶしたり、裏ごししたりすること(蒸したり、ゆでたりしたジャガイモが冷めると粘って効率が悪くなり、口触りも悪くなる)
- マッシュポテトには5月~6月ごろ収穫された新イモは適さず、デンプンが成熟した秋収穫のイモが良い
じゃがいもの時期は選べないため(スーパーの店頭に並んでいるモノしか入手できない)、1に関してのみ考察。
1の補足
そもそもジャガイモをなぜ加熱するかというと、加熱するとジャガイモに含まれているデンプンがやわらかくドロドロとした状態になり、食べやすく、消化しやすくなるからである。
デンプンがやわらかい状態になることを糊化(こか)という。
糊化には、加温と水分が必要となる。
じゃがいものデンプンが糊化する温度は60℃前後(58~62℃で急速に糊化する)で始まり、80℃以上まで加温すると、デンプンがすべて糊化している状態になるという。(*1)
じゃがいもの主成分はデンプン(約16%)であるが水分(約80%)も多く、米のように水を吸収しなくても、いも自身の水分だけで十分に糊化することができるのだとか。(*2)
マッシュポテトは糊化したデンプンを持つ細胞をうまくバラバラに分離させるようなイメージで作ればよいのだろう。
細胞をバラバラにするには、細胞と細胞をくっつけている接着剤の役割をしているペクチ ンが関わってくる。
このペクチ ンは、温度が高くなると流 動 性を持つようになる。細胞と細胞の接着がゆるくなるのだ。さらに細胞の中にあるデンプンは糊化するため、イモ自体もやわらかくなる。よって、細胞を分離することが簡単にできるようになるのだ。
これが「じゃがいもが熱いうちに」つぶしたり、裏ごししたりするのが簡単にできる理由である。
じゃがいもが冷めてから裏ごしすると、温度が下がったことで、ペクチ ンと糊化したデンプンの流 動 性が失われ、硬くなり、マッシュしにくくなる。
マッシュしにくいと、大きな力をかけるため、細胞の外側を包んでいる膜、細胞膜が破れ、糊化したデンプンが流出して、粘ってくる。粘りのあるマッシュポテトになり、味が悪くなってしまう。(*3)
マッシュ時のじゃがいもの温度だけでなく、加熱方法の違いによっても大きな力がかかってしまうこともある。
従来の水煮じゃがいものマッシュ操作は容易に行えるが、電子レンジ加熱はマッシュ操作が困難であるというデータもあった。(*4)
だが、食味(おいしさ)に関しては、電子レンジ加熱の方が水煮よりも、じゃがいもの色や味が良いと評価されている。水煮じゃがいもの低評価の要因は、その味の水っぽさである。(*4)
つまり、味に関しては「水っぽさ」のない加熱が好まれる。
このことに関しては、ヘルシ オ加熱(蒸す)もホットクック加熱(無水調理または蒸す)でもどちらでも、鍋の水煮に勝る加熱になるだろうから、味はよいのかもしれない。
今回はヘルシ オの「いも」に適化されたメニューを使わずに加熱を行ったことが原因で、マッシュしにくかったのかもしれないので、次回は蒸し物「いも・かぼちゃ」のコースでやってみようと思う。
マッシュポテト作成のための次なる手段としては、ググってみたところ、何通りか発見!(加熱にかかる時間が短い順に並べると、)
- ヘルシ オ 蒸し物「いも・かぼちゃ」のコース(蒸し物22分) ⇒ 自分でじゃがいもをつぶす
- ホットクック 「かぼちゃの煮物」のコース(20分) ⇒ 「ホワイトソース」のコース(10分)まぜ技ユニットでじゃがいもをつぶしてもらう
- ホットクック 「いも・かぼちゃ(ゆで)」のコース(25分) ⇒ 「ホワイトソース」のコース(10分)まぜ技ユニットでじゃがいもをつぶしてもらう
- ホットクック 「じゃがいものポタージュ」のコース(40分)まぜ技ユニットでじゃがいもをつぶしてもらう
できれば、ヘルシ オで加熱したいので(ホットクックはソースを作るため、稼働させたくない)なんとか、うまくできればいいなと思う。
(*1) 各種でんぷんの熱糊化の特徴 竹田 千重乃、檜作 進 日本農芸 化学会48巻12号p.663-669(1974)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nogeikagaku1924/48/12/48_12_663/_pdf/-char/ja
(*2) いもの調理 瓦家 千代子 生活衛生29-3 (1985) 調理と科学 9
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikatsueisei1957/29/3/29_3_174/_pdf
(*3)じゃがいもの調理 平野 雅子、橋谷 淳子 調理科学 5(1), 26-31, 1972 一般社団法人 日本調理科学会
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookedryscience1968/5/1/5_26/_pdf
(*4)電子レンジによるじゃがいもの調理性と食味について 長沢 嘉子、小松原 紀子、後藤 純子 島根女子短期大学紀要 島根女子短期大学紀要 (18), p43-48, (1980)