ホットクックとヘルシオでつくるごはん日記

調理家電だけで作る我が家の食卓記録。

ああ、簡単には作れないのか!~あめ色玉ねぎ考察編~「ホットクックで作るフレンチオニオンスープ」

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フランスの代表的なスープ「フレンチオニオンスープ」

どこかほっとする優しい味わいの1品 

レストランのように玉ねぎを数時間かけて炒めるには技術や手間が必要だが

今回はホットクックにおまかせして約30分ほど蒸し炒め、

あめ色にはならなかったが、甘味を引き出す

たまりしょうゆでコクを加え、琥 珀色の澄んだ色合いのスープ完成

コンソ メやブイヨンを使わなくてもおいしい

憧れの「あめ色玉ねぎ」が甘いのは、なぜか?

結論から申し上げると、玉ねぎ特有の甘みの原因については、明らかになっていないそうだ。

加熱することによって、

  • 水分が蒸発して甘味成分が濃縮される
  • 生タマネギの刺激臭が減少する
  • 甘い香りの成分が作られる

これらが重なりあい、玉ねぎの「甘いフレーバー」が発現すると考えられているらしい。

以上の3つがそろう条件であれば、あめ色にならなくとも、じっくり加熱すれば、甘味だけは引き出せそうではないか?

「ホットクックで作るフレンチオニオンスープ」

材料

◯玉ねぎ 450g(2個)薄切りにする

◯塩 小さじ1/4

◯水(焦げ付き防止用) 80ml

※玉ねぎが焦げ付かないようにするために水分を入れる 

◯おろしニンニク  大さじ2

◯水 400ml

◯たまり醤油 大さじ2

◯冷凍コーン、冷凍ゆで枝豆 適量(トッピングとして、ニュ ー トリショナルイ ー スト(粉チーズの代替品)をかけてヘルシ オ「まかせて焼き」で加熱した)

1)ホットクックの内鍋に材料を入れる

玉ねぎをホットクックの内鍋に入れ、焦げ付き防止用の水、塩を加える。

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玉ねぎは薄切り、塩、水を加える

2)ホットクックで加熱する

まぜ技ユニットと内鍋を本体にセットして、ホットクックで加熱する。

ホットクック設定

自動メニュー ⇒ じゃがいものポタージュ(40分) ⇒ スタート

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加熱前(左)と加熱後(右)の様子
「焦げ付き防止の水は不要であった」のではないか⁉
次回は入れない!!

途中、残り時間6分で、報知音が鳴る。

フタを開けて、内鍋におろしニンニク、水、たまりしょうゆを加え、フタを閉めてスタートする。

ホットクック設定

(フタを閉めて) ⇒ スタート

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おろしニンニク、水、たまりしょうゆを加え、再スタート
加熱前(左)と加熱後(右)の様子

3)完成

加熱後、器に盛り付け、焼きコーン、焼き枝豆をのせて完成。

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ヘルシ オのまかせて焼きでトッピングのコーンと枝豆を作る
加熱前(左)と加熱後(右)の様子
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焼いたバゲ ットとチーズの代替品をのせて
オニオングラタンスープとしてアレンジするなど
フレンチオニオンはまだまだ楽しめそうだ
なんとかあめ色玉ねぎを完成させたい

憧れの「あめ色の玉ねぎ」。

あの玉ねぎがあれば、カレーやシチュー、ハンバーグの具材、そしてオニオンスープをレストラン仕様に引き上げるだろう。

バゲ ットを添えて、スープを吸わせて、レストランのような味を楽しめる。

玉ねぎを十分に茶色(褐色)になるまで炒めることは、技術や手間を要する面倒な調理作業であるが、ホットクックが救いの手を差し伸べてくれるだろう。

「褐色の炒め玉ねぎ」のあの色は、どこから来るのか?

玉ねぎを長時間加熱すると、独特の風味を生じて、好ましいあめ色に色づく。

これには「アミノ・カルボニル反応(メイラード反応)」が関わっている。

糖とタンパク質が加熱することで反応する(肉を加熱したときに褐色化することでも知られている)、アレである。

玉ねぎには、その甘味成分として、ショ糖、果糖、ブド ウ糖が含まれている。

加熱し、あめ色(褐変)にさせると、このうちの一つ、ショ糖は減少し、ブド ウ糖と果糖は増加、褐色色素であるメラノイジンも増加するという。

つまり、玉ねぎの褐変は、ショ糖が分解することから引き起こされる「アミノ・カルボニル反応」によって起こったと考えられる、という。(*1)

「褐色の炒め玉ねぎ」の色、香り、食感、味

「褐色の炒め玉ねぎ」の調理中の色、香り、食感、味の変化から、調理にかかる時間とそのできあがったもののおいしさの評価がベストな条件を探してみた。

縦方向に薄切りした玉ねぎ(1mmの厚さ)に大豆油を玉ねぎ重量の1割加えて、最初の5分は強火、あとは弱火で70分まで加熱した結果だという。(*2)

1.色

色として「おいしそうだ」と評価が高いのは、

  • 炒め物 ⇒ 炒め時間10分
  • カレーやスープ、シチューなどに利用する材料 ⇒ 炒め時間40~45分
  • オニオンスープ ⇒ 炒め時間55分

炒め玉ねぎの色の変化は

薄く色づく ⇒ キツネ色 ⇒ 飴色 ⇒ 黄金色 ⇒ 茶色 ⇒ こげ茶色

 

それぞれの色になるまでに玉ねぎ炒めにかかる所要時間

薄く色づく(25~30分炒める) ⇒ キツネ色(35~40分) ⇒ 飴色(40~45分)⇒ 黄金色(45~50分) ⇒ 茶色(55~60分)⇒ こげ茶色(60~70分)

 

2.香り

おいしそうな香りとして評価が高いのは

  • 炒め玉ねぎ・ベスト「香ばしさ」⇒ 炒め時間40~45分
  • オニオンスープ・ベスト「甘い香りと香ばしさが共存」⇒ 炒め時間60~65分の玉ねぎから調整されたものでスープを作ったとき

炒め玉ねぎ特有の香りの変化は

生玉ねぎ臭(~炒め時間20分まで) ⇒ 甘い香り(炒め時間30~35分)⇒ 香ばしい香り(炒め時間40~50分)⇒ 焦げ臭い香り(炒め時間55分以上~)

 

オニオンスープに仕立てた場合は少し異なる

甘い香り(炒め時間40~60分)⇒ 香ばしい香り(炒め時間55~70分)⇒ 焦げ臭い香りもする(炒め時間70分)

 

 3.食感

  • カリ ッとするまで炒めなければ、玉ねぎは本当に軟らかくなったとはいえない。

玉ねぎを炒めると食感が変化する

 

最初は生玉ねぎのシャッキリ感が失われ

①クタッとなり、まとわりついたり、くっついたりする感じになる

 

さらに長時間(60分以上)炒めると水分を失われ

②カリ ッとしてくる

 

オニオンスープに仕立てると

①をスープに入れる ⇒ シャッキリ感がもどる

②をスープに入れる ⇒ とろける食感になる

 

 4.味

甘いと評価が高い炒め玉ねぎは

  • 炒め玉ねぎ ⇒ 炒め時間25分
  • オニオンスープ ⇒ 炒め時間45~50分

玉ねぎを炒めると味に変化がある

 

玉ねぎ特有の刺激が消えるまで(炒め時間5~10分程度炒める)

⇒ 甘味が感じられる(炒め時間~50分)⇒ 苦みが感じられる(炒め時間60分~)

⇒ 酸味も重ねて感じられる(炒め時間25分~)

 

以上の結果から、どうやら「炒め玉ねぎ」と「炒め玉ねぎから作られるスープ」では味や香りの感じ方が異なるようだ。

フレーバーの優れるスープを作るためには、普通の炒めタマネギよりも、さらに長時間の炒め操作が必須である。

いずれにせよ、「あめ色玉ねぎ」を作るためには以下3点は最低でも必要であろう。

  1. 玉ねぎ重量の1割ほどの油を使用する 例:玉ねぎ500g、油50g使用する
  2. スライサーで縦方向に薄切りした玉ねぎ(1mmの厚さ)を使う
  3. 最低でも40分以上しっかり「炒める」加熱をする

どうやら、簡単には「あめ色」にはならなさそうだ。

(*1)メラノイジンに関する食品化学的研究  本間 清一  日本栄養・食糧学会誌 58巻2号 p. 85-98 (2005) 平成15年度日本栄養・食糧学会学会賞

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs1983/58/2/58_2_85/_pdf/-char/ja 

(*2)長時間妙 めた タマ ネギの味,香 り,遊 離糖 色 の変化  玉木 雅子、鵜飼 光子 日本家 政 学会誌 54(1) p.69-76 (2003)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej1987/54/1/54_1_69/_pdf

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