ホットクックとヘルシオでつくるごはん日記

調理家電だけで作る我が家の食卓記録。

乳製品なし!卵なし!油なし!ケーキがべちゃっとする理由を克服した「ヘルシオで作るバナナケーキ」

f:id:MegNakaaa:20210727004307j:plain

今回の生地はしっとりめでみずみずしいが
ずっしりとしたパウンドケーキ特有の質感を持つ
また、食感はかるく、口の中でほどけるように溶ける

ケーキにはいろいろ忘れがたい失敗がある。

最近、ケーキ型としてとても使いやすいもの「スル トン」を手に入れたので、どんどん使うべく(「スル トン」は値が張るので、使い倒したい)ケーキの基本レシピを構築するための研究を重ねている。

前回のケー クサレは、しっとりはしているがまるで羊羹(ようかん)のように気泡が見られない部分があるという、「半生パウンド」状態となっていた。

火がしっかり通っているので生焼けではない。

つまり、これ以上焼いても、状態は変わることはないのだ。

羊羹の原因は何か、ということをネットで検索したり、本を読んだりし、その理由を解明し、新たなレシピを組み立てた。

「ヘルシ オで作るバナナケーキ」

材料

◯小麦粉(薄力粉)180g 国産小麦粉使用

◯ベーキングパウダー 大さじ1/2

◯アップルソース 90g (すりおろしリンゴのパウチタイプ使用、砂糖不使用が好ましい)

◯バナナ 100g 

◯デーツシロップ 大さじ3

◯水 60ml

1)生地を作る、ヘルシ オを予熱する

ヘルシ オを予熱する。

ヘルシ オ設定

手動 ⇒ ウォーターオーブン・180℃・予熱あり ⇒ スタート

薄力粉、ベーキングパウダーをボウルに入れ、泡だて器でよく混ぜておく。

f:id:MegNakaaa:20210727004059j:plain
f:id:MegNakaaa:20210724222611j:plain
粉をふるう代わりに、泡立て器でよく混ぜ合わせておく

水、アップルソース、デーツシロップ、バナナを容器に入れる。バナナをフォークでつぶしながらよく混ぜ、とろりとした液を作っておく。

f:id:MegNakaaa:20210727004044j:plain
f:id:MegNakaaa:20210727004113j:plain
f:id:MegNakaaa:20210727004124j:plain
液を作る、水とアップルソース(左)、デーツシロップとバナナ(中央)を入れ、
泡立て器でよく混ぜ合わせる

液を小麦粉のボウルに加えてさっくり混ぜ、生地を作る。

f:id:MegNakaaa:20210727004201j:plain
f:id:MegNakaaa:20210727004215j:plain
f:id:MegNakaaa:20210727004031j:plain

まぜすぎないように注意、粉っぽさがなくなる程度、
多少ムラがあっても良いので軽く混ぜる(中央)
生地のゆるさ(水分の目安)は
スプーンをかたむけても落ちてこないくらいがちょうどよい(右)

できた生地を角型の焼き型(食パン用焼き型スル トン使用)に入れる。 

f:id:MegNakaaa:20210727004015j:plain

できた生地をスル トンに入れる

2)ヘルシ オで加熱する

予熱完了後、焼き型をのせた角皿をヘルシ オの下段に設置する。

ウォーターオーブン・180℃・35分 ⇒ スタート

f:id:MegNakaaa:20210727004001j:plain
f:id:MegNakaaa:20210727003948j:plain
加熱前(左)と加熱後(右)の様子

3)焼き上がりをチェックして、完成

加熱完了後、竹串を刺して何もついてこなければ完成。まだ焼き足りない場合は、延長する。

型から取り出して、網の上で少し冷まし、食べやすい大きさに切って完成。

f:id:MegNakaaa:20210727004227j:plain
f:id:MegNakaaa:20210727004307j:plain
網の上で冷ましてから切り分ける

焼き上がり直後にすぐ食べないほうがいい

オーブンから出したばかりの温かいケーキを見ると、つい型から外してすぐに食べたくなってしまうが、焼き上がり直後のケーキは表面がカリッとしすぎ、中は水分が多く、べっちゃり度が高め。均一に水分がなじんでいない状態だ。

きちんと冷ますと水分が生地にだんだんとなじんでいき、ケーキ特有のしっとりとした食感に変わる。

手で触れるくらいに熱をとったケーキをラップで包み、そのまま常温の場所でしっかりと冷ましたほうが、おいしい。

f:id:MegNakaaa:20210727004320j:plain

ラップをして少しおくとケーキ全体に均一に水分がなじんできて、
ケーキ特有のしっとりとした食感に変わる
このタイミングで食べるとおいしい

 ケーキが羊羹のようにべちゃっとしっとりめな仕上がりになった理由

  1. レシピの分量・配合が悪い
  2. 乳化ができていない
  3. ベーキングパウダーが少ない
1の考察

試作中なのである意味仕方ない。これから調整すれば良し。

2の考察

そもそも乳化とは、本来は混ざらないはずの「水」と「油」を界面活性剤をなかだちとして混ぜ合わせることを言う。

通常、油と水を混ぜると、油は小さな滴になり、そのまま放置すると小滴はどんどん合体して浮き始める。そして油層と水層にわかれる。

ところがここへ洗剤のような界面活性剤を入れて、油と水を混ぜると、なかなか油層と水層に分離しない。しかし、油滴は水より軽いため、ゆっくりと油の滴は浮いていき、最後には二層にわかれる。

界面活性剤にプラスして、さらに電動ブレンダーにかけてみる。油はいよいよ大変小さい滴になるため、液は白くにごる。

ここまでいくと、二層に分離するまでかなり長い時間がかかる。ブレンダーで小さくなった油滴は、ブラウン 運動(水の分子が油滴にぶつかって起きるランダムな動き)をするので、なかなか浮き上がってこれない。

ケーキにおいて、油と水を混ぜ合わせるなかだちをする界面活性剤は「卵黄」だ。(卵黄は天然の界面活性剤で、脂質も多く含んでいる)

乳化がしっかりできていないと、ケーキの中で軽い部分(油層)と重い部分(水層)にわかれてしまう。

重い部分(水層)の部分には「 水ばかりの部分」ができて、その部分は水に対して小麦粉が足りない状況となり、そのままの状態でケーキは焼き上がるので、水が多くてべっちゃりとしたまま焼き上がってしまう。

つまり、乳化できていなかったことが、失敗の大部分をしめていたといっても過言ではない。

レシピに動物性の食品「卵」を入れたくない、そもそも油も入れないという仮定でレシピを作っているので、このあたりが原因であることは否めない。

ま、そこで単純に水を減らし小麦粉を多くすれば「水ばかりの部分」が減るだろうということで、水の量を前回の約6割(2/3の量)にした。

3の考察

ベーキングパウダーは水と一緒に加熱すると分解して二 酸化炭素の泡を出す。

ベーキングパウダーと小麦粉、少量の水で生地を作れば、小さな泡が作れる。

生地をオーブンに入れると二 酸化炭素の出る勢いも増し、どんどん小さい泡ができる。温度があがれば、タンパク質が固まり始め、生地が硬くなるので、泡はその中に閉じ込められ安定する。

小さな泡つまり空気をたっぷり生地の中に閉じ込めてやれば、かるい仕上がりとなるはずだ。

そこで、前回の1.3倍ほどのベーキングパウダーを入れた。

 こちらが問題のレシピ↓↓↓

megnakaaa.hatenablog.com

f:id:MegNakaaa:20210727010617j:plain

生地のきめがあらいのでそのあたりを改善していきたい

今回、まずまず上手くいったので、このレシピを「パウンドケーキの基本」としたい。

人は時として、花は見るが、枝や葉を見ない。

幹の部分になど目をやらない。ましてやその根っこの部分を見ることは思いつきもしない。

まず花という結果だけに関心を向けるが、根や幹のことは考えようとしない。

「新しいケーキ」という花をうまく咲かせるには、まずは地下にかくれている根である「基本のレシピ」が大切だ。

花が咲くのも根がしっかりとしているからこそだ。

「基本のレシピ」をもとに、中に入れる材料を少しずつ変えてみて、 バリエーションを楽しみたいと思う。

もっとふんわりさせたり、生地をしっとりさせたり、香りをつけたり、食感だけでなくいろいろ変化をつけてみたい。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村

アップルソース↓↓↓

デーツシロップ↓↓↓